この記事では、現役のマーケッターである田辺輝恭が、独自の視点からマーケティングに差がつくリサーチのやり方についてお伝えします。
正しいリサーチができればできるほど、マーケティングの効果を最大化させる事ができます。なぜなら、正しいリサーチができているということは、お客のことを深く理解できているということだからです。
現に、プロモーションを組んで商品を販売するときに、どれだけリサーチができているか?によって売上が2倍、3倍と変化することなんか珍しくもなんともありません。
だからこそ、リサーチに時間とお金をかけることは、かなり効果性の高い投資になります。
ただし、リサーチ会社にお金をかければいい情報が手に入るか?というと、そんなことは全くありません。どちらかというと、こっち側のような依頼側が目的をハッキリさせておかないと、どんなリサーチも空振りに終わる可能性が高いのです。
ですので今回は、『売れるプロモーションを組むためのマーケティングリサーチ』という観点で、徹底解説していきます(^^)/
Contents
マーケティングリサーチをするとどうなる?本当に競合と差がつくの?
マーケティングリサーチと聞いたら気が滅入ってしまう人も少なくないと思います。
なぜなら、その活動自体がお金を産んでくれるわけじゃありませんし、そもそも商品を売るためにリサーチするにしても今までの勘や経験が頭の中に入っているからです。
なのでリサーチを看過して、常識や経験、勘やノリと勢いでセールスメッセージやプロモーションの内容を決定してしまいがちです。(で、大ヤケドする、、、と)
ですが、「商品やサービスのプロモーションの成功は、リサーチ内容で75%は決まる」という言葉があるように、その重要性は非常に高いのも事実なんですね。
他にもリサーチを行うことで、次のようなメリットもあります↓
- 文章を考える必要がなくなる
- 商品がより好きなり、より売りたい気持ちが高まる
- ベネフィットが見つかる
- ストーリーを見いだすことができる
- ビッグセリングアイデアを発見できる
詳しく説明していきます。
リサーチのメリット1
文章を考える必要がなくなる
まず、マーケティングリサーチをすればするほど、セールスコピーをあれこれ考える必要が無くなります。
よくセールスコピーを書くときに、真っ白の画面をみて頭も真っ白になる人がいます。これは、何を書けばいいのかわからない状態の典型的な例なんですが、実はゼロからセールスコピーを書いてヒットすることはほとんどありません。
ゼロから書くんじゃなくて、すでに世の中にある売れる要素を組み合わせていくのが、ヒットするセールスコピーの作り方なんです。
リサーチのメリット2
商品がより好きになり、より売りたい気持ちが高まる
「なんとなく作ってみたけど、これってホンマに売れるんじゃろか、、、」と思ったことはありませんか?
商売をしていると、1度や2度はどうすればいいかわからない商品を扱う場面があると思います。
この場合、マーケティングリサーチをしっかり行うことによって、商品の特徴が市場の意外な悩みを解決できるということがわかったりします。なので「これは人々の生活に貢献できそうだ!」と気持ちが高まり、だんだんと商品のことを好きになってくるんですね。
商品のことを好きになればなるほど、セールスコピーを書く気力も高まります。そして、マーケティングの施策を組むことも意欲的になってきます。
また、広告代理店やセールスコピーライターとして働いている人にとっては、『扱う商品のことが好きである』というのは外せない要素です。
なぜなら、興味のない商品のセールスコピーを無理して描こうとしても筆が全く進まないですし、そもそもセールスコピーというのは「この商品ってスゴくね?!マジハンパないんすよ!!」というエキサイトがある程度必要だからです。
なので、仕事を効率的に行うためにも、商品が好きになるまでリサーチをすることも大事になってきます。
リサーチのメリット3
ベネフィットが見つかる
ベネフィットとは、商品・サービスの特徴から得ることができる便益・恩恵のことです。そして、多くの人々は商品の特徴ではなく、どんなベネフィットを得ることができるかによって、購入を判断します。
例えば、スポーツジムに通ってる人がいるとします。
そういった人は、月額1万円ほど出してスポーツジムに足を運ぶ権利を買ったんじゃなくて、定期的に体を動かして健康体を保つために会員になってるんです。
こういったベネフィットは、商品・サービスの特徴や実際に買ってくれるお客さんのことを徹底的にリサーチしないと見えてきません。広告で刺さるベネフィットを書くためにもリサーチは必須になってくるんですね。
リサーチのメリット4
ストーリーを見いだすことができる
「モノではなくストーリーを売れ」という言葉を耳にしたことがあると思います。確かにその通りでして、商品・サービスのことを伝える時に、ストーリーほど心に響くものはありません。
例えば、おむすびころりんという童話がありますよね。
この童話の教訓は「自分より小さいもの、自分より力がない者にも敬意を払らえ。勘違いをするな。」というモノです。
ですが、このような教訓は別におむすびころりんじゃなくても、どこかの経典や知識者によって語られてると思うんです。けど、日本の中に多く広まってるのはおむすびころりんの方です。
確かにそうですよね。
「見た目で判断するな」とか「年上・年下関係なく敬意を払え」といっても、なぜそうするべきなのか?がわからないと人間はなかなか受け入ることはできません。
ですが、おむすびころりんのように↓
おじいさんが、いつものように山で木の枝を切っていた。昼になったので、昼食にしようとおじいさんは切り株に腰掛け、おばあさんの握ったおむすびの包みを開いた。
すると、おむすびが一つ滑り落ちて、山の斜面を転がり落ちていく。おじいさんが追いかけると、おむすびが木の根元に空いた穴に落ちてしまった。
おじいさんが穴を垣間見ると、何やら声が聞こえてくる。おじいさんが他にも何か落としてみようか辺りを見渡していると、誤って穴に落ちてしまう。
穴の中にはたくさんの白いねずみがいて、おむすびのお礼にと、大きいつづらと小さいつづらを差し出し、おじいさんに選ばせた。おじいさんは小さいつづらを選んで家に持ち帰った。
家で持ち帰ったつづらを開けてみると、たくさんの財宝が出てきた。
これを聞きつけた隣りのおじいさんは、同じようにおむすびを蹴って穴に無理矢理入れた。おじいさんは自分から穴に入っていき、土産をよこせと怒鳴りつけた。
ねずみが大きいつづらと小さいつづらを選ばせたが、欲張りなおじいさんは猫の鳴き真似をしてねずみを脅し、両方のつづらを持って帰ろうとした。ところがねずみはおじいさんに噛み付いたので、おじいさんは降参した。
こんなストーリーを語れば、年上や年下がどーのこーのとか、力がある人と力がない人がどーのこーのとか、人を騙したり脅迫したらいけませんだのなんだのと説教するよりも、何倍もわかりやすく伝わります。
なので「ストーリーで売れ」という言葉がありますし、そのストーリーを見つけるためにもリサーチが必要になってくるんですね。
リサーチのメリット5
ビッグセリングアイデアを発見できる
先ほど、ストーリーは強力なセールストリガーだという話をしました。ですが、他にも興味を惹きつける強い要素としてビッグセリングアイデアというのがあります。
ビッグセリングアイデアの成功事例として、第3のビールがあります。
第3のビールは、本当はビールではありません。なぜなら、そもそも原料が違うからです。というのも、ビールの定義のひとつとして”麦芽が2/3以上入ってること”とされてますが、第3のビールには全く入っていません。
確かに第3のビールの定義として、”発泡酒に他のアルコールを混ぜたもの”というものありますが、それでもビールとは全く違うお酒となります。要は、ビールでも発泡酒でもなんでもない新しいお酒ってことですね。
ですが、そんなお酒にも関わらず世の中に一気に広まって、世のお父さんがたの心強い味方として認識されるようになりました。
その理由が『第3のビールと名付けたこと』なんですね。
本来なら、ビールでもなんでもない新しいお酒には、どんな名前をつけてもいいはずです。なんなら大きく区別するためにバゴラベッシュ酒とか闇から生まれしアルコールなどと厨二病くさい命名をしてもよかったハズです。
(注:バゴラベッシュ酒、闇から生まれしアルコールは、いま適当に考えた名前です。存在しません。いや、むしろ存在してたらゴメンナサイ)
ですが、あえて『第3のビール』の表現することで、人々の頭の中にすんなりと浸透させることができました。
この事例のように、人々の心の中にいとも簡単にスッと入り込むことができる表現を見つけることができるのもリサーチの醍醐味となってきます。
マーケティングリサーチ3つのカギ
では、ここからは実際にリサーチをするべき具体的内容についてお伝えしていきます。
まず、リサーチの内容は大きく分けて3つになります。
- 商品リサーチ
- 見込み客リサーチ
- 市場リサーチ
では、ひとつずつ見ていきましょう。
もっとも基礎となるのは「商品リサーチ」
リサーチの中でも最も基礎となるのが、この商品リサーチです。商品リサーチを怠ると、どんなにいい商品を作ったとしても売れることはありません。
なぜなら、セールスメッセージのほとんどは「商品リサーチ」によって見つけられるからです。
またもし、「何からリサーチを始めようか、、」と悩むことがあったら、迷うことなく商品リサーチから始めることをオススメします。その理由は、実は3つのリサーチの中でも商品リサーチが最も楽だからです。
なので、商品リサーチからはじめて弾みがついたら残りの2つに手をつけていくというのが、効率の高い方法だと考えています。
商品リサーチで見つけなければならないものは、大きく分けて3つになります。それは『ビッグプロミス』と『ベネフィット』と『証拠』です。
ビッグプロミス=商品の売り
ビッグプロミスとは、商品がもたらしてくれる最も大きな約束つまり、「商品の売り」ということなんですね。
- 「商品が何をもたらしてくれるのか?」
- 「その商品にはどんな意味があるのか?」
- 「商品を実際に使ったらどうなるのか?」
これらの質問から導き出される中で、最もプッシュしたいものがビッグプロミスとなります。
例えば、appleのMacBook Proのページを見るとわかりやすいかもしれません。
まずはじめに「大いなる力。大いなる能力。」というキャッチコピーが目につきます。そしてサブキャッチコピーとして、「MacBook Proはノートブック性能と機動力をまったく新しいレベルへ引き上げます。」と続いています。
つまり、MacBook Proのビッグプロミスのひとつは、「とにかくパワフルにめっちゃ早く動きまっせ!ダンナ!」というだということがわかりますね。
ビッグプロミスは、購入の決断を促すために欠かせない要素のひとつです。どんな商品でも必ず存在しますので、特徴をたくさん引き出して見つけていきましょう。
人はベネフィットを感じて商品を買う
「ドリルではなくて穴を買いたい」という言葉があるように、人は商品・サービスのではなくてベネフィットを求めて購入を決断します。
例えば、エステサロンにいく人は、40分間もオイルを塗ってもらったり、足を揉んでもらいたいから通うわけじゃありません。そうじゃなくて、その向こう側。つまり、「スッキリした足を出して夏を過ごしたい」といった結果を求めて購入します。
ベネフィットは大きく分けて2種類ありまして、有形のベネフィットと無形のベネフィットにわかれます。
有形ベネフィットは、簡単にお伝えすると見る・触る・味わうなど5感で感じることができるベネフィットのことです。先ほどお話しした「スッキリした足を出して夏を過ごしたい」というのも有形ベネフィットと言えます。
一方で無形ベネフィットは、感情面のベネフィットになります。先ほどのエステサロンでいえば「スッキリした足を出して、どんな夏服も着こなしてイケてる私を演出したい!」というのが近いでしょう。
ベネフィットに関しては、記事『ベネフィットが書けない?売れるライティングの秘訣』で詳しく書いていますので、そちらをご参照ください。
ビッグプロミス・ベネフィットを後押しする「証拠」
ビッグプロミス・ベネフィットを感じて人は購入を決断するという話をしましたが、実はそこに1つ弱点があります。
それは「ベネフィットやビッグプロミスは嘘がつけるということを人々は無意識にわかっている」ということです。つまりすぐ「はいそうですか」と信じれないということですね。
もう一度、MacBook Proの商品ページを見てください。
先ほど、「MacBook Proはノートブック性能と機動力をまったく新しいレベルへ引き上げます。」というメッセージはMacBook Proのビッグプロミスだとお話ししました。
なので人々はそこも魅力ひとつと感じて、購入を決断するための判断要素とします。ですが、性能と機動力がレベルアップしましたという言葉は、嘘をついて書こうと思えば簡単に書くことができてしまいます。
なので証拠として、「なぜ性能や機動力がアップしていると言えるのか?」という具体的な数字を明記してるんですね。
- 最大8コアのIntelプロセッサ
- 最大5.0GHzのTuebo Boost
- 最大32GBのメモリ
- 最大3.2GB/sのSSD読み出し速度
誰にでも判断できるように数字を明記していますので、「性能や機動力がアップしてます」という主張にも信ぴょう性を持つことができます。
他にもある信頼性を高める証拠の作り方
- 実績を公言する
- お客の声、有名人・権威者からの推薦文
- メディア露出(テレビ、セミナー、書籍、ラジオなど)
- デモグラフィックを見せる
- 実験結果を見せる(グラフや論文など)
- 理屈や根拠を詳しく述べる
- 所持してる資格を教える
疎かになりがちな「見込み客リサーチ」
商品を手に取る前の段階のお客さんのことを『見込み客』と言いますが、結局のところ売れるプロモーションを作れるかどうかは、見込み客のことをどれだけ知っているかにかかっています。
なぜそう言い切れるのかというと答えは簡単で、見込み客が悩んでいることや購入の決断の決め手などがわかればわかるほど、商品を手に取ってもらいやすくなるからです。
なので、見込み客をリサーチして深く知ることができれば、それだけで他社よりも優位になります。
ですが、多くの人は見込み客リサーチを疎かにしてしまいます。疎かにするというよりは、自分の直感や肌感覚に頼っているといったほうが正しいのかもしれません。
なぜそうするのかというと、数あるリサーチの中で見込み客を知ることが一番面倒だからです。見込み客を知るということは、人のことを知るということです。
ですがその人というのは、自分が意図しない場所で嘘をついてしまったり、自分でも本心がわかっていなかったり、その場をやり過ごすために適当に対処してしまったりと、とにかく答えをなかなか表に出さない生き物です。
なので見込み客リサーチを行なっても、商品リサーチのようにあからさまな答えがバッチリ見つかるとは言い切れない部分があるんです。
とはいえ、実際に商品を買ってもらうことになる見込み客のことを知ることは、売れるプロモーションを組むためにも必須の作業と言えます。それに、複雑な感情をもつ見込み客ですが、リサーチする内容を絞ればかなり採算性の高いリサーチを行うことができます。
見込み客リサーチの真髄はB.D.F.を知ること
では、ここから最も効率の高い見込み客のリサーチ方法についてお伝えするのですが、ここでは「見込み客に実際に行動してもらうこと」を最大の目的とさせていただきます。
「見込み客が実際に商品を買うという行動をするためには何を調べればいいのか?」という視点で考えると、実は調べるべきことは3つしかありません。
- Belief:思い込み、偏見、先入観
- Desire:欲求
- Feeling:感情
この3つのことを中心に、見込み客のリサーチを行なっていくんですが、これらの情報を引き出すためには、少々コツがあります。
What is BDF?
見込み客リサーチとしてBelief、Desire、Feelingについて調べるのですが、これら3つの総称を頭文字を合わせて『B.D.F.』と呼びます。
- Belief:思い込み、偏見、先入観
「〇〇と言えば××だ」という思い込み、「大人として△△するべきだ」という先入観など。なんの疑いも持たずに信じきっているモノを指します。 - Desire:欲求
見込み客が欲しいもの。求めているもの。避けようとしているもの。
どんな問題を抱えているのか?どのような生活を送りたいと望んでいるのか? - Feeling:感情
注目を浴びたい。チヤホヤされたい。不安から逃れたいといった感情面。
現状はどんな気持ちなのか?どんな気持ちになりたいのか?どんな嫌な思いを避けたいのか?
見込み客リサーチの方法と注意点
具体的に「どのように見込み客のB.D.F.を調べればいいのか?」について、お伝えさせていただきます。
正直にいうとB.D.F.は、「見込み客はどんな信念を持ってるんだろう?」と考えても、なかなか答えにたどり着くことができません。なぜなら、人間の思考や表面まで具現化されてる事象などは、そんなに単純なものではないからです。
なので、B.D.F.を調べるうえで重要となってくるのは、どれだけリサーチの視点や切り口を持っているかにかかってきます。
確かに、見込み客のB.D.F.を知る方法はたくさん存在します。ですがここでは、「どのような切り口で調べていけばいいのか?」のヒントとなる視点をいくつか紹介させていただきます。
- もしなんでも叶う状況なら見込み客は何を一番欲するだろうか?
- 見込み客は現状では何を一番避けたいだろうか?
- 問題に対して見込み客が基本的に信じていることはなんだろうか?
- その業界で有名なものに対してどんなイメージを持ってるだろうか?
- 問題に対して最も緊急に対処しないといけないと考えてるものは何か?
- あなたが売ってる商品に似たタイプのものを見たとき見込み客は何を感じるだろうか?
- このタイプの商品についてどんなイメージを持ってるだろうか?
- 実際に広告を読んでみてどう感じるだろうか?
- 業界に対してどんなイメージを抱えているだろうか?
- 実際にオファーを見てどう思うだろうか?
(欲しい?裏がありそう?緊急性を感じる?躊躇してしまう?)
これらの質問を念頭に見込み客リサーチを行うと、見込み客が抱える本当のB.D.F.に近い答えを手に入れることができるようになります。
ですがポイントとして、「どこでリサーチを行うか?」が重要となってきます。
WEBで見込み客リサーチをする場合
すぐさまできて、労力も比較的かからない見込み客リサーチの方法としては、WEBを活用することが挙げられます。
つまり、WEB上のあらゆるところにある書き込みをみて、見込み客がどんなことで悩んでいるのか?何を欲していて何を避けたいと思っているのか?を推測するということです。
有名な手法のひとつとして『Amazonレビューを見る』というものがあります。これは文字通りAmazonに書かれているレビューをみて、見込み客のB.D.F.を推測するというものなんですね。
例えば、ダイエット食を買う人がどんなB.D.F.を持ってるか調べたいとします。そこで、ダイエット用のクッキーが販売されているページを訪問すれば、いろんな情報を入手できると判断しました。
ページを訪問してみると、そこのレビューのひとつに「普通に美味しくて食べ応えがある。けどカロリーオーバーにはならない。」というものがありました。
ここから推測できる見込み客のB.D.F.は↓
- ダイエット食は美味しくないという先入観がある
- ダイエット中でもおなかいっぱい食べたい
- ダイエット食でもカロリーオーバーになることがあった
などが判断できます。
また、マイナス評価のレビューからもB.D.F.を予想することができます。レビューは良くも悪くも実際の購入者の本心が浮き出たものです。これらを集めれば集めるほど、自分たちではなかなか気づけなかった盲点を発見することができます。
もちろんAmazonレビューの他にも
- Q&Aサイト(Yahoo!知恵袋など)
- 掲示板サイト(5ch、NAVERまとめなど)
- 政府が調査した白書、データ
といったものからも、見込み客のB.D.F.を予想することができます。
ですが、これらはあくまでもWEB上ですでに公開されている情報でしかありません。つまり、心の底からの本心なのか?とか、業者を使って工作されたものなのか?といった部分まで見極めることができません。
なので、本当に深くまで見込み客のことを知りたいのであれば、やはり『直接人から聞く』以上の方法はないんですね。
見込み客の本音を引き出す”必殺ヒアリング術”
なぜ人から直接聞くのが一番いいのかというと、こちらから質問の深掘りをすることができるからです。
人はそもそも、どうしても嘘をついてしまいます。嘘というよりも、自分自身でも本音を語ってるのかわかっていないと言った方が正しいのかもしれません。
なので、こちらから深掘りの質問をすることで、より核心に近いB.D.F.を引き出して上げる必要があるんです。
質問を深掘りする方法としては、次の5つをオススメします。
深掘りの質問その1「それはなぜですか?」
例えば、ダイエット食のクッキーを扱っているとします。そして、普段からダイエット食品を口にしている人からヒアリングをするとします。
今回のテーマは、『ダイエット食のクッキーに対するイメージ』です。
となれば、「ダイエット食のクッキーと聞いて、どんなイメージを持たれてますか?」とヒアリングするのが一般的となってきます。すると相手は「そうですね、、薄味のもの多いので、どんな味なのか気になっちゃいますね。」なんて答えを出してくるかもしれません。
ですが、そこで答えを引き出すのをやめるのではなくて、「それはなぜですか?」と深掘りしていくんですね。
すると、「はい、何回か買ったことがあるんですが、美味しいと書かれていても実際には味がしなかったなんてのもたくさん経験してきたからです。」という、見込み客の避けたい欲求を引き出すことができたりします。
なので、ヒアリングをして答えが出てきても、まずは「それはなぜですか?」と深掘りしてください。
深掘りの質問その2「具体的にいうと?」
抽象的な答えが返ってきたら、具体的にいうとどうなるのかを聞いてください。
例えば、先ほどの例であれば「美味しいと書かれていても実際には味がしなかった」という過去の経験がありました。ですがその「美味しい」というのは抽象的な表現でしかありません。
なので、「美味しいと書かれていたと仰りましたが、具体的には何味と書かれていたんですか?」などと聞いて深掘りしてください。
すると「その時買ったのは黒糖ハチミツ味と書かれてたんです。確かに多少の甘みはあったけど、黒糖ハチミツとは言えませんでした。」などという深い返事をいただけることがあります。
深掘りの質問その3「他にありますか?」
ヒアリングをしていて、ある程度聞き終わった感覚があったとしても、そこから「他にありますか?と、もう一歩踏み込んでください。
というのも、答えを出し尽くした先に「あ、そういえば!」と思い出したものこそ、本当のB.D.F.である可能性が高いからです。
それに、人の価値観は十人十色という言葉があるように、本当に様々です。なので、相手が自ら探してきた答えにこそ「そういうのもあるのか!」といった盲点であることが多いのです。
深掘りの質問その4「ぶっちゃけるとどーですか?」
これは、ズバリ核心に迫る時に使う質問です。つまり、無礼講だからここは本音を出しちゃってくださいなというスタンスですね。
どんな質問に対しても、人はどうしても「これ以上のことは言ったら失礼だよな。」というラインを持ってしまいます。日本人の美徳とも言えるでしょう。
ですが、「ぶっちゃけるとどーですか?」と聞くと、相手も「あ、本音をぶちまけてもいいんだな」と判断してくれるようになります。
すると、肩の荷が降りたかのように、「実はね、、、」といろんな思いを語ってくれるようにもなります。
深掘りの質問その5「あえて数字にするなら?」
これも抽象的な表現を具体的にしたいときに効果的な質問方法のひとつです。
例えば、ダイエットをして痩せたいと考えている女性がいるとします。その場合女性のB.D.F.を探っていくと「痩せてキレイになりたい」という望みに近づくことができるかもしれません。
ですが、『痩せる』とか『キレイ』といったものは抽象的表現にすぎず、その言葉を聞いて誰もが同じイメージを持つとは限りません。
なので、「あえて数字にするなら?」と聞くことで、「私の身長なら、体重は45kgくらいで、太ももは40cmで、ウエストも〜、、、」と具体的なイメージを引き出すことができます。
その数値をヒントとして、「じゃあ、一番理想的な女優さんとしては有村架純さんですね!」とさらに見込み客のB.D.F.を追求することができるようになります。(※注意:体重や太ももの数値は、全てぼくの妄想です。)
以上がぼくがオススメする見込み客のリサーチ方法となります。
(※注意:もう一度言いますが、体重や太ももの数値は、全てぼくの妄想ですよっ。)
ヒアリングのワンポイントメモ
突っ込んだ質問をずっと投げかけてると、相手は「尋問されてる」と錯覚を起こすことがあります。
なので、見込み客にヒアリングをするときは前もって「たくさん質問をさせてもらいますが、大丈夫でしょうか?」と確認をとってください。
世の動きを知る「市場リサーチ」
リサーチと聞いた時、多くの人が想像するのがこの「市場リサーチ」じゃないでしょうか。
- ライバル企業が何をしているのか調べる
- 世の中のトレンドは何なのかを調べる
- 似た商品としてどんなものが世の中にあるのか調べる
こういったものが市場・競合リサーチなんですが、ここにもいくつか注意するべきポイントがあります。
直接競合と間接競合
ライバルとしてどんなものがあるか?をリサーチする場合、直接競合と間接競合という観点で見る必要があります。
直接競合というのは、ダイエット食のクッキーを売っているのであれば、まんま同じものを売ってる企業がそれに当たります。また、クッキーでなくてもゼリーだったりおかゆだったりジューズだったりと、『飲食をもってダイエットを補助する食品すべて』が直接競合となります。
一方で間接競合というのは、全く違う商品だけど目的が同じモノを指します。
つまり、ダイエット食のクッキーは詰まるところ痩せるのが目的となりますので、スポーツジムや補正下着、室内運動の器具や雑誌などが間接競合となります。
このように、自分の扱う商品には様々なライバルがいることを頭に入れた上で市場のリサーチを行うとで、他の人とは比べ物にならないくらい深いところまで知ることができます。
市場・競合のどんな情報を調査すればいいか?
では、実際に市場や競合のどんな部分をリサーチすればいいのか?について説明させていただきます。
ごく一般的なリサーチですので無意識でやられてる方もいると思いますが、先ほどお話しした直接競合・間接競合の概念をもった上で見ていただけると、新たな発見が生まれるかもしれません。
見るべきポイントは大きく分けて次の3つになります。
- 販売方法
- オファー
- 訴求ポイント
1.販売方法
意外とリサーチ内容として見落とされがちなのが、この「販売方法」です。
- 競合はどの媒体を使って販売しているのか?
- 1stepで売っているか?2stepで売っているか?
- サンプルを用意しているのか?
- どれくらいの頻度で見込み客と接触しているのか?
- 資料にはどんなことが書いてあるのか?
これらのことを中心に調べていきます。
もし競合がダイレクトメールで販売をしているのなら、実際にダイレクトメールを取り寄せて中を確認します。また、実際に商品を買ってみて、どんな形で商品を渡しているのかを確認するのも大事になってきます。
肉を切らせて骨を断つではないですが、このように実際にお客さんとなってリサーチするのは、競合との違いを生むためにも非常に有効な手段となってきます。
2.オファー
これは、競合の商品自体をリサーチするということです。
つまり、価格はいくらなのか?どんなものがセットになっているのか?特典は何がついているか?保証はあるのか?保証がないのなら自社は取り入れることができないか?付随的サービスはどんなものをやってるのか?配送方法は?などをとことん調べるということです。
特に「商品の価格」は要注意です。
商品の価格帯というのは、競合がさんざん市場に教育してくれているので、その価値観をくつがえすのはなかなか困難となります。特にフロントエンド商品は、市場の主流となってる価格帯で勝負するのが無難と言えるでしょう。
ですが、バックエンド商品となると話は別です。すでに顧客との関係性が構築された状態で販売しますので、市場と大きく外れた価格帯でも勝負することができるようになります。
なので、扱ってる商品すべてを競合に合わせるのではなくて、しっかりとフロントエンド・バックエンドの戦略を築いてセールスラインを組んでいくのが重要となってきます。
逆に、競合がフロントエンド・バックエンド関係なしに、全ての商品で利益を出そうとしているのなら、自社として圧倒的にお得感のあるフロントエンド商品を作るだけで勝機が出てきたりします。
3.訴求ポイント
どんな謳い文句で商品を売っているのかを調べるのも、重要なリサーチ項目です。
例えば、ダイエット食のクッキーであれば訴求方法のひとつとして「カロリー控えめなのに満腹感を味わえる」というのが考えられます。ですが他にも「医者から食事制限されているけど間食をどうしてもしたい」というのも考えられます。
つまり同じ商品でも、ターゲットは誰なのか?商品から得られるベネフィットは何にするか?ビッグプロミスはどれに定めるか?などによって、訴求ポイントは大きく変わってくるということです。
競合の訴求ポイントを調べれば、どの競合も謳ってないけど市場が求めているポイントを見つけることができるかもしれませんし、いろんな訴求が入り乱れているのであればポジションチェンジを考慮するという判断がつくようにもなります。
また競合が、「こんなことで悩んでませんか?」といった不安を仰ぐことしかしていないのであれば、「こんな未来が待っています」といった未来を見せてあげるだけでも、他とは違う魅力的な訴求ができるようにもなります。
【まとめ】リサーチ次第でマーケティングの効果は大きく変わる
今回の記事の内容を簡単にまとめるとこうなります。
マーケティングリサーチのメリット↓
- 文章を考える必要がなくなる
- 商品がより好きになり、より売りたい気持ちが高まる
- ベネフィットが見つかる
- ストーリーを見いだすことができる
- ビッグセリングアイデアを発見できる
マーケティングリサーチ3つのカギ↓
- 「商品リサーチ」では、ビッグプロミス、ベネフィット、証拠を見つけよう
- 「見込み客リサーチでは、B.D.F.を発見するのが最大の目的
- 「市場リサーチ」では、直接競合と間接競合を意識して調べよう
確かにリサーチは、簡単そうに見えても思うように答えに行き着かないという時が多いです。
ですが、そこを踏ん張って、商品・見込み客・市場のリサーチをすればするほど、競合が気づかないようなスイートスポットを見つけることができるという美味しさもあります。
人は買わされるのは嫌いだけど、自ら判断して買うのは大好きです。なので、「どれだけお客さんのサポーターになれるか?」という意味合いでも、しっかりとリサーチをしていただくことをオススメします!
田辺輝恭
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